今まで何度もご紹介しています、稲盛和夫さんが主宰している「盛和塾」です。
今回は、昨年10月に中国の青島市で行われた、「稲盛和夫経営哲学青島国際フォーラム」での講演をDVDで見ながら学びました。
テーマは「経営の12カ条」でした。
「経営の12カ条」は経営の原点としていつも私達に教えていただいているものです。
それを今回、中国の経営者向けに説明したものです。
「経営の12カ条」については既に知っている方もいると思いますが、改めて紹介します。
「経営の12カ条」
1.事業の目的、意義を明確にする。
(公明正大で、大義名分の高い目的を立てる)
2.具体的な目標を立てる。
(立てた目標は常に社員と共有する)
3.強烈な願望を心に抱く。
(潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つ)
4.誰にも負けない努力をする。
(地道な仕事を一歩一歩、堅実にたゆまぬ努力を続ける)
5.売上を最大限に、経費は最小限に。
(入るを量って出を制する。利益を追うのではない。利益は後からついてくる。売上が伸びても、安易に経費を増やさない)
6.値決めは経営。
(値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点)
7.経営は強い意志で決まる。
(岩をも砕く強い意思が必要)
8.燃える闘魂。
(経営はいかなる格闘技にも勝る激しい闘争心が必要)
9.勇気をもって事に当たる。
(たとえ儲かっても卑怯な振る舞いがあってはならない。脱税、粉飾などはもっての外。)
10.常に創造的な仕事をする。
(今日よりは明日、明日よりは明後日と常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる)
11.思いやりの心で誠実に。
(商いには相手がある。相手を含めてハッピーであること。皆が喜ぶこと)
12.常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で。
(苦しいときこそチャンス。笑う門には福来る。ただ、謙(虚)のみ福を受く)
この12項目を2時間近くにわたり、稲盛さんは具体的に説明していました。
昨夜の勉強会ではDVDを見終わった後、1項目の「事業の目的、意義を明確にする」の副題「公正明大で大義名分の目標」とは何かについてそれぞれの意見を述べ合いました。
私の解釈を少し述べます。
起業を志す人は最初はこのことにはあまり拘らなくてもいいのではないかと思います。
多くの起業人は「公正明大で大義名分のある目標」を目指して起業したのではありません。
「金を儲けたい」とか「贅沢したい」から始まっていると思います
最初はそれでいいと思います。
ただ、人を雇い、事業が少し大きくなってくると、壁にぶつかります。
「仕事をしてもうまく行かない」とか「従業員が言うことを聞いてくれない」、「やる気が無くなってきた」等困難に陥った時、「なぜ仕事をするのか」「何のために一所懸命になるのか」自問するようになります。
その時こそ「公正明大で大義名分のある事業の目的や意義」を作り上げるのが大切だと思うようになります。
形ばかりの経営理念を作っても、魂が入っていなければ空念仏になってしまいます。
ところで、「目的」と「目標」の違いが分からない人がいますので、私なりの若干解釈を書きます。
「目的」は「なぜ?」を問い、「目標」は「何を?」です。
「目的」は「なぜ生きるのか」「なぜ一生懸命頑張るのか」を明示するもの。「目的」はなかなか到達できないモノです。
目標は「いつまで、何を目指すのか」です。「今年の売上目標は1億円」等のように達成出来るものです。
興味をもたれたら、この経営の12カ条をプリントアウトして時々見られたらいかがですか?
私はこの「経営の12カ条」を目のつくところに貼っています。
チョットした時にヒントなり、生きる力をもらっています。