セミナーの題名は「東日本大震災から見た、誰でもが暮らしやすい仮設住宅とは」
札幌市で介護センターの所長をし、現地に5回ボランティア活動に行った菊地氏が講師です。
彼は理学療法士でもあります。
理学療法士として見た仮設住宅で暮らす不便さを話してくれました。
彼が撮った写真で見ると、仮設住宅はお年寄りや身体が不自由な事ばかり。
また、寒地に建つ住宅としても不十分でした。
お風呂では浴槽のフチが高く、足を持ちあがるのが大変。
また家中が段差だらけです。
床には畳がなく、窓も1重のため結露がひどい状態。
今、それは後工事で解消されつつあります。
地震国日本では、万が一の時には何万棟という数の仮設住宅が必要となります。
阪神大震災の時も同じ問題がありました。
今後も大きな地震が起きると予想されています。
こらからも必要とされる仮設住宅は、住む人のことが考慮される「ユニバーサルデザイン思想」に基ずいた設計がなさらなければならないと感じました。
また、仮設住宅の建築コストは1戸当たり400万円かかると言われます。
少しかかり過ぎです。
あらかじめコスト計算された設計に基づいて概算も用意しておく必要もあります。
今のままでは建築業者の言うがままの工事費がかかります。
時には「火事場泥棒」的に儲けている業者もいるかもしれません。
仮設住宅は法律では2年の使用です。
阪神大震災の時は特別5年でしたが、それでもその後は多くが廃棄されます。
改めて書きますが。建築費は1戸当たり400万円、撤去に100万円かかるのです。
廃棄されてはもったいない話です。
その費用が無駄になる事を考えれば、一部は仮設住宅を建てるより、民間のアパートを斡旋し、その費用に充てる方がいいのではと考えます。
災害への備えは、そのところまで考えると復興の費用も、スピードもが早いはずです。
このセミナーは色々考えさせられるお話を聞くことが出来ました。