若い新会員の経営者が増えて、大変活発な論議が交わされました。
この勉強会は稲盛和夫さんが書かれた「京セラフィロソフィ」の本を教材に行われます。
今回は「率先垂範する」の項目です。
以前開いていた私の勉強会でも「京セラフィロソフィ」を学んでいました。
同じ「率先垂範する」という項目も参加者と一緒に議論しましたが、今回は経営者ばかりなので、それとは別の意見を聞くことが出来ました。
自分が創業したばかりの会社であれば、人手も足りなく、当り前のように自分が中心になって仕事をします。
その時は「率先垂範」ということは頭にありません。
それは自分が働かなければ会社が成り立たないのですからです。
自動車修理工場の社長が言っていました。
会社がある程度規模が大きくなってきた時、どの時点で工場の現場から離れるか、すなわち作業着の「つなぎ」をいつの時点で脱げばいいのかと悩んだそうです。
経営者は現場ので皆を引っ張って行くと同時に社長としての仕事もあります。
いつまでも現場に入って、時給1000円の人と同じ仕事をしていてはダメなのです。
社長として時給1万円、10万円、時には100万円の仕事をしなければなりません。
「率先垂範」は会社の規模によってもそのやり方は違います。
現場に入ることばかりが「率先垂範」でもありません。
また、創業者と2代目とはやり方も考え方も違うという意見もありました。
創業者は自分が先頭に立って引っ張っていかなければならないという覚悟が最初からあります。
しかし、2代目は現場は知らなくても、作り上げられた体制の中で経営するという環境があります。
そこに「率先垂範」の考え方の違いがあります。
他に、「率先垂範」は「矢面に立つ勇気」という意見もありました。
「率先垂範」という言葉は理解していたつもりでいても、このように話合ってみると深い意味を持っていることに気付かされました。
盛和塾の塾長でもあります稲盛和夫さんはJAL再建のために、経営計画を作りながら、全国の現場に行き、管理職や社員と会い、意思の共有を図っています。
これも勿論「率先垂範」です。
私はJAL再建を進める稲盛さんの行動そのものが「率先垂範」の姿かと認識しています。