仕事、特に営業には歩合制というものがあります。
その制度は今はもう少なくなってきていると思います。
「契約を取る為には何でもアリ」とか、取引後はアフターサービスが置き去りにされる等、その制度の欠陥が指摘されてきました。
歩合制にはもう1つ心理的な問題もあります。
その心理が、昨日紹介しました「その科学が成功を決める」という本に書かれていました。
実験結果があります。
公園のゴミを拾ってもらうのに、AとBの2グループに分けました。
Aグループには謝礼としてかなりの額のを、Bグループにはごく少額を払うと約束。
1時間後に、自分はどれだけ仕事を楽しんだかを参加者全員に採点を頼みました。
結果10点のところAグループは平均2点、かたやBグループは8.5点で、Bグループの方が断然楽しんだそうです。
高い報酬をもらったAグループの心理は「報酬が高いということは嫌な仕事だ」と無意識うちに判断してしまう。
一方、Bグループは「報酬が少ないのはきっと楽しい仕事なんだ」と思う。
実験の結果からみると、やる気を出して仕事を楽しむ為には多すぎる報酬はマイナス効果になりかねないのです。
ニンジンを鼻先にぶら下げられても、それほど成績は上げられないのです。
仕事は報酬ばかりでなく、楽しく、やりがいの有る内容でなければ続けられません。
仕事が終わった後に、思いがけず小さなプレゼントをもたったり、その仕事を褒めてもらう方が満足度が高いのです。
経営者にとって大事なポイントです。