しかしいくら努力しても、なかなか業績が回復しない時があります。
その対応の一つに人件費削減も検討することもあります。
従業員を減らすのか、ワークシェアで従業員を減らさず1人当たりの賃金を下げるのか。
従業員を減らすと、景気回復した時すぐそれに対応出来ません。
景気回復した時、改めてを採用して訓練することになるので、タイミング良く生産を上げることが出来ません。
ワークシェアをすれば従業員を減らすことが無いので、景気が回復した時すぐにそれに対応できます。
ベターな方策と言えます。
しかし、ワークシェアを取った時一番の問題は生産性・効率の低下でしょう。
先日玉川大学の研究結果が新聞に掲載されていました。
最初に金銭報酬が与えられて課題に取り組んでいたところ、報酬が無くなった際には、本来楽しめる課題もやる気が失せてしまうという心理実験です。
給料が急激に減少しても同じようなことが言えるでしょう。
「成果報酬の減少はやる気も減少させる」ということです。
いくらやりがいのある仕事をしていても、給料が低下した時、本来の生産性・効率を維持することが難しいのです。
ワークシェアをしても生産性・効率を低下させないために必要なのは何でしょうか?
それは「会社に明確な理念があるかどうか」だと私は信じています。
そしてその理念が従業員全員で共有しているかです。
この会社が「何のために存在する」のか、「何を目指して頑張る」のか、それを普段から共有出来ている会社は強いのです。
一時的に給料が下がっても、それを乗り越える力は出てきます。
勿論、業績回復した時は、経営者は従業員の苦労に応える待遇改善をしなければなりません。
稲盛和夫さんは過去に、不景気で京セラの業績が低下した時とってきた方法がこれです。
不景気に力を蓄え、景気が回復した時は一気に拡大させる。
だから「不景気もまた良し」と言えるのでしょう。
現在、不景気だからこそ従業員が共有できる理念・目標の重要性を再確認しています。