「葉隠」という江戸時代に書かれた武士道に関しての本があります。
その中に人間の修行には段階があると書かれています。
紹介します。
修行の初期では、ものにならず、自分でも下手と思い、人も下手と思う。この分ではまだ用には立たない。
中の位は、まだ用には立たないが、自分の下手さも他人の不十分さも分かるようになる。
上の段になると、全てを会得して、自慢もできるし、人が褒めるのを喜び、他人の不十分さを嘆く。こうなれば、ものの用に立つ。
その上の上の上になると、知らん顔をしている。そして、人も上手だと見ることができる。大体の者がこの段階までである。
その上にもう一段飛び越えると、言うに言えない境地が広がっている。その道は深く入れば入るほど、ついに果てもない無限の世界だとわかって、これで良しという思いもなくなり、自慢心も起こさず、卑下する心もなく進んでいく道である。