稲盛さんは次のように言っています。
「ものづくりの原点は製造現場にあります。
営業の原点はお客様との接点にあります。
何か問題が発生した時、まず何よりもその現場に立ち戻ることが必要です。
現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこねまわしてみても、決して問題解決にはなりません。
よく、『現場は宝の山』と言われますが、現場には問題を解くためのカギとなる生の情報が隠されています。
絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上、新規受注などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことが出来るのです。
これは、製造や営業に限らず、すべての部門に当てはまることです。」
会社は優秀な人材を求めて人を採用します。
優秀な人は大学で勉強し、研究し、それを実際の仕事に生かそうとします。
ところがこのような人間が得てして陥りやすいのは、やり方さえ知っていれば簡単に出来る、と錯覚してしまうことです。
しかし実際にやってみると、うまくいかず、理論上出来ることでも実際はそうならないものです。
勉強して身に付けた知識と、現場で実際にやってみて得た経験の2つをあわせもって、初めて「できる」といえます。
知識が経験を経て知恵が生まれ、能力が高まるのです。
この事は従業員ばかりでなく経営者自身にもいえることです。
時として経営者が現場に入って、現状を把握し、問題点を見付けなければなりません。
稲盛さんも社長の時は、作業服を着て工場に入り作業状況を確認していました。
また必要であれば、工場内に社長の机があってもいいのではないでしょうか。
社長の現場主義の姿勢を見せることと、実際に現場に足を運ぶことが出来ることになります。
ソフトバンクの孫さんの言葉で「信じるな!疑うな!現場で確認せよ!」というのがあります。
その通りですね。