大分以前の報道で、変わった学校が出来たということは知っていました。
その第一期生が今年高校部を卒業するということです。
Wikipediaによると2006年に全寮制の中高一貫制男子校として設立され、トヨタ自動車やJR東海、中部電力などの中部地方の有力企業が中心となり設立され、開校しました。
「将来の日本を牽引する、明るく希望に満ちた人材の育成」を謳い、イギリスのエリート育成校「イートン校」の日本版です。
この高校の寮には教員の他に各企業から男性若手社員が派遣され、生活を共にしています。
寮での生活は厳しく、携帯電話・ゲームは禁止、テレビも寮に一台のみ。
その厳しい生活になじめず1期生は120名中20名が転校したそうです。
大手企業各社から派遣された社員は「フロアーマスター」として生徒と生活を共にします。
「企業の協力をもとにしたキャリア教育」がこの学校最大の売りです
日本の教育は戦後一貫して「平等」という言葉のもとで、このようなエリート教育は避けられてきました。
教育に関しては色々な考え方があり、ともすれば論争の元になりがちです。
ですからここではあまり深入りしません。
ただ、私はこのような教育もあっていいと思っています。
差別教育と思う人もいるでしょうが、区別教育だと思います。
職人を養成する学校があってもいいと思います。
芸術家を育てる学校もいいです。
今までは考えられていた「平等」という言葉は、「同一」と混同されていたように思います。
金太郎飴の様な人を作ることが平等ではありません。
私の友人で一般企業の幹部社員から転身して公立高校の校長をしている人がいます。
彼の話では学校の中では一般社会と違った常識があると言っていました。
将来、社会を担っていく子供たちに正しい思考、判断力、生きる力を身に付けさせ、送り出していくのも学校の役目です。
今年初めての卒業生を出す海陽学園。
3月には有名大学に何人入ったかなどの基準で評価されるでしょう。
でも、どの大学に何人入学したかより、その後どのような仕事を成したのかが大事です。
この学校の本当の評価は10年後、20年後になって出てくるものでしょう。